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何か大きなことの始まり
アトラスコプコのEBB26は、当社初のバッテリ駆動型ドリルです。その持続可能性、人間工学に基づく設計、スマートデータ収集により、本製品はエキサイティングな製品開発の最初の一歩といえます。
航空宇宙産業や自動車産業のパワードリル作業者は、固い材料に対して1日に何千とは言わないまでも何百もの孔を開けています。最近まで、市場のドリルのほとんどは圧縮空気を動力とする空圧式ツールでした。必要な「出力」を備えているのは空圧式ツールだけだと広く考えられていたからです。
しかし、空圧式装置は、特に失速したときに腕、手、神経を損傷するおそれがあります。エアケーブルは、作業現場で転倒の危険にもつながります。また、圧縮空気によるCO2 の排出は、これらのツールを使用した穿孔が環境的にも持続不可能であることを意味します。
この産業の課題に対するアトラスコプコの回答が、バッテリ駆動型ドリル、EBB26です。
「市場の他の標準的なツールは、このドリルの様に航空機産業用に作られていないので比較の対象になりません」と、ハノーバーにある、航空宇宙部門のグローバルビジネスマネジャーであるラルス・ブルクハードは言います。「人間工学に基づいた設計と品質が際立っています。100個の穴を連続して開けている作業者にとって、これはまったく別のプロセスになり得ます。空圧式ツールのように摩耗せず、プロセス内の皿座ぐり工程の品質が向上します」
ラルスの同僚である、ストックホルムのツールアンドアセンブリシステム研究開発部門VP、ジョナス・マンが続けます。
「バッテリ駆動であるというシンプルな事実は、EBB26が環境の持続可能性の問題に対応していることを意味します。私たちは、他の産業を変革した経験から、空圧式から電動式に移行した場合のエネルギー消費量削減のメリットについて簡単に計算できます。しかし持続可能性とは、社員に配慮することでもあります。作業者に配慮したこの製品は、作業者を保護し、安全性を確保し、より快適な作業環境を実現することで、大きな影響を与えることができます」
ジョナスとラルスは、2017年の開始以来このプロジェクトに携わり、2019年と2020年に発売が開始されました。二人は、EBB26の開発が難しかった理由は、特にマーケティング担当者、機械エンジニア、電子エンジニア、産業デザイナー、UXデザイナーからなるチームが、基本的にまったく新しい概念を基にゼロから始める必要があったからだと認めています。試行錯誤が繰り返されました。
ジョナスは次のように述べています。「すべてはスペインのお客様とのミーティングから始まりました。私たちは電動化の影響について議論し、その後、自分たちがいつもしていることを行いました。つまり、設計、性能、品質などに関する、お客様のニーズを十分に理解するための徹底的な調査です」
ラルスが付け加えます。「私たちは、航空機産業の大手顧客と緊密に連携して、彼らの将来的な課題、組立プロセスについて、それが連続したプロセスであることを深く理解しました。開発後期の段階になっても私たちは、研究開発チームの支援を受けて放熱の面で大幅な改善を行いました」
イノベーターの紹介
EBB26バッテリドリル
主な特長: 人間工学に基づき、使いやすく、軽量で、パワフルな性能と精度を備えています。完璧な結果が不可欠である限られた分野向けに設計されています。
優れた機能: バッテリ技術により、従来の空圧技術と比較して、CO2排出量を93%削減します。
用途: 世界中の航空宇宙産業。
ジョナスはこれらの変更について次のように説明しています。「冷却用空気がないと機器内の熱で問題が発生することは最初から分かっていました。しかし、各種用途における生産性と耐久性に関する要件をお客様に理解していただくために、実際に試してみる必要がありました」
道のりは困難でしたが、その結果は素晴らしいものでした。
「私たちは組立ツールに関する長年の経験を活かして、ツールの素材と設計について伝えてきました。EBB26では制御性が向上し、速度を設定できるので、複数のエアツールを1つのバッテリ駆動ツールに置き換えることができます。これは画期的なことです。実際、この開発により、いくつかの特許を取得しています」と、ジョナスは述べています。
ラルスが付け加えます。「私たちが行ったことは、今日のリーン生産原則に従ったものです。生産ラインにあるツールが少ないほど、保管の必要が少なくなり、管理する在庫数が少なくなります。組立ステーションにあるツールが多いほど、エラー発生の可能性が高くなります。そのため、本製品には大きなメリットがあります」
本製品の開発プロセスが中断することはありませんでした。スマートなデータ駆動型ツールへのインダストリー4.0のメガトレンドは、アトラスコプコの視界にしっかりと入っています。
「EBB26はインダストリー4.0への足掛かりだと感じています。突然、当社にバッテリ駆動型電動ドリルが誕生しました。この電動ドリルは、一部のローカルユーザデータを保存でき、将来的にはレポートデータを収集できるようになる可能性があります。本製品は当社にとって本当に重要なイノベーションです」と、ラルスは述べています。